2018.12.03
市民講座 生と死のフォーラム 第208回 作者が語る―――小説『死の川を越えて』
市民講座 生と死のフォーラム 第208回
作者が語る―――小説『死の川を越えて』
~差別と偏見の中に見る人間の光~
講師/日本ペンクラブ会員・群馬県日本中国友好協会会長 中村 紀雄 氏
1月8日(火)10:30 ●入場無料
会場/群馬ロイヤルホテル
およそ一年にわたって上毛新聞に連載された小説『死の川を越えて』は、ハンセン病と闘う人々の物語です。あらすじを紹介しますと、「死の川」というのは草津の強酸性の流れのことで、あらゆる生命の存在を許しませんでした。この川の辺に、助け合って生きるハンセン病の人々の集落があり、集落の少年、正助は万場軍兵衛を訪ねて「俺は人間として生きたい」と言います。すると軍兵衛は「この集落からはハンセン病の光が発している」と不思議なことを語ったのです。
物語の背景は戦争の時代です。ハンセン病の患者は国辱とされ隔離されていきました。この隔離政策の象徴が草津に作られた悪魔の監獄「重監房」でした。時代は遷り、日本は戦争に敗れ、人間尊重の「日本国憲法」が誕生しました。万場軍兵衛は「憲法を活かし国を相手に裁判をせよ」と言い遺して世を去り、ハンセン病の元患者たちは訴訟の場で力を合わせるのです――。
差別と偏見の根源にあるものは何か、なぜ、それは今も止まないのか。法は誰のものなのか。私たちの問いはまだ続いています。
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